頭鍼とは|YNSAと良導絡で自律神経を測定してから届く頭部への鍼
「頭鍼(とうしん・ずしん)」という言葉を初めて聞いた方は、頭に鍼を刺すという響きだけで身構えてしまうかもしれません。まずお伝えしたいのは、頭鍼は頭部のツボや反応点へ髪の毛ほどの細い鍼で微細な刺激を届ける、歴史ある東洋医学の技法だということです。中国の伝統的な頭皮鍼から、日本ではYNSA(山元式新頭鍼療法)という体系が世界的に知られるようになりました。当院HARI CHOCOMINTでは、この頭鍼を「良導絡(りょうどうらく)」という自律神経の測定と組み合わせています。本記事では「頭鍼とは何か」「YNSAはどう違うのか」「当院の施術はどんな流れで進むのか」を順にご説明します。読み終えたときに、鍼への不安が少しでも小さくなっていたら嬉しく思います。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 一般的な鍼灸鍼の太さ | 0.10〜0.20mm | 日本鍼灸師会「はり・きゅう安全基準の手引き2023」 |
| 採血・注射用注射針の太さ(21〜23G) | 0.60〜0.80mm | 厚生労働省「医療機器一般的名称 注射針」 |
| YNSAの発表年(山元敏勝医師) | 1973年前後 | YNSA学会公式サイト 2024 |
| 良導絡の発表年(中谷義雄博士) | 1950年 | 中谷義雄『良導絡自律神経療法』1972年 |
| 当院で使用する鍼の年間本数(すべて単回使い切り) | 約2,500本 | 当院2025年度実績 |
INDEX≡目次
- 1頭鍼(とうしん)とは|頭部のツボに細い鍼で刺激を届ける東洋医学の技法
- ►「頭鍼」と「頭皮鍼」「YNSA」「頭部鍼灸」の呼び分け
- ►使う鍼の太さ・長さ(0.10〜0.20mm前後・注射針とは別物)
- ►施術中の姿勢と体勢(仰向け・座位・横向きの選び方)
- 2頭鍼の歴史と発展|中国の頭皮鍼から日本のYNSAへ
- ►中国式頭皮鍼(焦順発の頭鍼療法)の基本区分
- ►YNSA(山元式新頭鍼療法)の位置づけ
- ►国内での普及と学会の存在
- 3YNSA(山元式新頭鍼療法)とは|頭部の反応点で全身を評価する
- ►基本点(A・B・C・D・E・F・G・H・I)の考え方
- ►首診(うしろの首の圧痛で反応点を絞る)
- ►感覚点・脳点など専門点の概要
- 4頭鍼が対象としてきた不調|自律神経・頭痛・肩こり・めまい・不眠
- ►頭痛・首肩の張り
- ►不眠・眠りの浅さ・寝つきの悪さ
- ►めまい・耳鳴り
- ►自律神経の乱れ(動悸・のぼせ・冷え)
- 5頭鍼はどう進む?|当院の施術の流れ(良導絡→カウンセリング→頭鍼)
- ►① 良導絡での自律神経測定(12本の代表経絡の電気抵抗を測る)
- ►② 数値の可視化とカウンセリング(測定結果を一緒に確認)
- ►③ YNSAの反応点で首診・確認
- ►④ 頭鍼+必要に応じて体鍼を組み合わせる
- ►⑤ 施術後の変化と次回までの過ごし方をご提案
- 6頭鍼は痛い?危険?|正直に書く痛み・内出血・瞑眩
- ►痛みの感じ方(チクッ・ズシッ・響き)
- ►内出血の起こりやすさと消えるまでの目安
- ►施術後のだるさ・眠気(瞑眩)
- ►鍼はすべて単回使い切り(感染管理)
- 7頭鍼に向いていない状態・避けたほうがよい場面
- ►発熱・強い体調不良のあるとき
- ►頭部の皮膚に炎症・傷・湿疹があるとき
- ►抗凝固薬を服用中の方(内出血の可能性)
- ►妊娠中の方(施術可否・部位の確認)
- ►医師の指示で経過観察中の方(主治医に確認)
- 8「見える化してから施術する」当院が頭鍼と良導絡を組み合わせる理由
- ►良導絡が測るもの(12代表経絡の電気抵抗と自律神経の傾向)
- ►測定→施術→再測定で「触った変化」を確認する
- ►透明性そのものを商品にする、という考え方
- 9頭鍼のよくある質問(FAQ)
- ►頭鍼は1回で変化がありますか?
- ►髪型が崩れたり、シャンプーが必要になりますか?
- ►何回くらい通えばよいですか?
- ►他院・病院との併用はできますか?
- ►料金と時間の目安を教えてください。
- 10まとめ|「まず、見てみませんか」
頭鍼(とうしん)とは|頭部のツボに細い鍼で刺激を届ける東洋医学の技法
頭鍼とは、頭部にあるツボや反応点へ髪の毛ほどの細い鍼で刺激を届ける鍼灸の一分野です。読み方は「とうしん」または「ずしん」が一般的で、頭皮鍼(とうひしん)と呼ばれる場合もあります。もともとは中国の伝統的な鍼灸から派生し、20世紀後半に体系化されました。当院では、後述するYNSA(山元式新頭鍼療法)を軸に頭鍼をご提供しています。
「頭鍼」と「頭皮鍼」「YNSA」「頭部鍼灸」の呼び分け
頭に鍼を用いる施術には、いくつかの呼び方が存在します。総称としての「頭鍼」、頭皮の反応点を強調した「頭皮鍼」、日本発の流派である「YNSA(山元式新頭鍼療法)」、そして頭部全般の鍼灸を指す「頭部鍼灸」。書き手によって使い分けが異なるため、初めて調べる方が混乱するのは自然なことです。当院では「YNSAを軸にした頭鍼」という言い方で統一しています。
読者の方が知っておいて損のないポイントは、これらが対立する別物ではなく、大きな括りの中にある技法や呼称の違いだということです。名前が違っても、頭部に細い鍼で刺激を届けるという共通点があります。細かな流派の違いより、「誰がどう診てくれるのか」のほうが体感に響きます。
使う鍼の太さ・長さ(0.10〜0.20mm前後・注射針とは別物)
頭鍼で使う鍼は、日本で一般的な鍼灸鍼と同じく直径0.10〜0.20mm前後、長さは30〜50mm程度の細く柔軟な鍼です。参考までに、健康診断で使われる注射針は21〜23G(およそ0.60〜0.80mm)が多く、頭鍼で使う鍼はその1/4〜1/8ほどの細さになります。注射針は薬液を通すために内部が筒状になっており、皮膚を切りながら進むのに対して、鍼灸鍼は先端が丸く、組織を押し分けて入っていく設計です。
「注射のような痛みが頭に来るのでは」というご不安を抱える方は少なくありません。仕組みが違うと言葉で聞いても、不安がすぐに消えるわけではないと当院は考えています。だからこそ初回のカウンセリングで実際の鍼を手に取って見ていただき、必要ならご自身の指先で先端の丸みに触れてから施術に入るようご案内する形にしました。
施術中の姿勢と体勢(仰向け・座位・横向きの選び方)
頭鍼を受けるときの姿勢は、大きく「仰向け」「座位」「横向き」の3パターンから、その日の体調と施術する反応点に合わせて選びます。もっとも多いのが仰向けです。首や肩の力が抜けやすく、頭部への刺激で気分が落ち着いた方がそのまま眠りに入りやすいためです。座位は前頭部・側頭部の反応点を細かく確認したいときに、横向きは首の後ろの圧痛を確認しながら反応点を絞りたいときに用います。
「頭に鍼を刺したまま動けるのか」という質問もよくいただきます。刺入している鍼は数センチと短く、埋め込むわけではないため、必要な範囲であれば首を軽く回していただくこともあります。無理に動く必要はまったくありませんので、いちばん楽な姿勢でお過ごしください。
当院のこと
「測ってから施術する」当院の進め方
HARI CHOCOMINT では、良導絡で自律神経の状態を数値で確かめてから、その日の施術を組み立てます。どんな方法を使い、料金はどのくらいか。まずは読んで確かめてみてください。
頭鍼の歴史と発展|中国の頭皮鍼から日本のYNSAへ
頭鍼の起源は古代中国の鍼灸まで遡りますが、「頭部への刺入だけで全身の不調に対応する」という発想で流派が確立したのは20世紀後半とされています。中国では焦順発(しょう じゅんぱつ)が体系化した「頭鍼療法」が代表的で、大脳皮質の機能局在の考え方を頭皮に投影する区分けが用いられてきました。日本では宮崎県の山元敏勝医師が独自に発見したYNSA(Yamamoto New Scalp Acupuncture)が海外の医師・鍼灸師にも学ばれています。頭鍼は、生まれた国や時代が違うのに「頭部から全身を診る」という発想で繋がる、興味深い分野です。
中国式頭皮鍼(焦順発の頭鍼療法)の基本区分
中国では、1970年代に焦順発が頭皮を運動区・感覚区・言語区などのゾーンに分けて刺激する「頭鍼療法」を体系化しました(出典: 全日本鍼灸学会「中国頭皮鍼概説」レポート 2019年)。この考え方は、大脳皮質の機能局在(脳のどの部位がどの働きを担うか)を頭皮に投影するという発想が土台になっています。中国国内では中医学系の医療機関で用いられてきた実績があり、国際的な鍼灸のテキストにも頻繁に登場する系統です。
一方で、この流派は流派間で区分けの詳細が異なる部分もあり、日本の鍼灸師がそのまま採用しているケースはそれほど多くありません。当院がYNSAを主軸にしているのも、日本語で学びやすく、国内の学会で継続して学べる体制が整っているからです。
YNSA(山元式新頭鍼療法)の位置づけ
YNSAは、宮崎県で開業していた山元敏勝医師が1970年代に発見した頭鍼療法です(出典: YNSA学会公式サイト 2024年)。「新頭鍼」という名称に「新」が入っているのは、中国式の頭皮鍼と区別するために付けられた歴史的な経緯があります。山元医師は、頭部にある小さな圧痛点と体の症状の対応関係を臨床の中で発見し、独自の区分け(基本点A〜Iなど)を提案しました。
YNSAが特徴的なのは、「首の後ろの圧痛(首診)」で反応点を絞り込むという確認の手順が体系化されている点です。この手順の存在によって、施術者が違っても再現しやすくなり、教える・学ぶが可能な技法として広がりました。YNSAは日本国内だけでなく、ドイツ・アメリカ・ブラジルなどでも医師や鍼灸師が学び、学会活動が続いています。
国内での普及と学会の存在
日本国内には「YNSA学会」が存在し、症例検討会や講習会が定期的に開かれています。学会の目的は、山元敏勝医師の技法を正しく継承し、施術者の技術水準を保つことです。当院のMasaeも学会に所属し、学び続けています。もし「頭鍼を受けたいけれど、施術者が本当に学んだ人なのか気になる」という不安がある方は、施術者が学会に所属しているか、講習を継続して受けているかを目安にしていただくと安心につながります。
株式会社医道の日本社が制作したYNSAの解説DVD『山元式新頭鍼療法【DVD】』と『続・山元式新頭鍼療法【DVD】』は、開発者ご本人の実技解説を収録した資料として鍼灸業界に流通しています。これらは一般の書店でも入手できるため、施術者側の学習環境も整っている技法だといえます。
YNSA(山元式新頭鍼療法)とは|頭部の反応点で全身を評価する
YNSAは、頭部にある「基本点」「感覚点」「脳点」などの反応点を確認し、そこに細い鍼で刺激を届ける流派です。開発者の山元敏勝医師の解説によれば、頭部の反応点は全身の状態と対応しており、圧痛や首の可動域の変化を確かめながら反応点を選定していきます。当院ではこの手順を大切にし、Masaeが手を動かして反応を確かめてから施術に入ります。「同じKWで検索してたどり着いた別の記事」と少しだけ違う視点として、当院の実務手順もあわせてご紹介します。
基本点(A・B・C・D・E・F・G・H・I)の考え方
YNSAでは、頭部の生え際付近を中心に「基本点」と呼ばれるアルファベットで整理された反応点があります。A点は頸部・首の症状に、B点は肩・腕に、C点は肩と腕の別ゾーンに、D点は腰の症状に……といった具合に、体の部位との対応関係が体系化されています。この対応関係は山元医師の臨床観察から生まれたもので、YNSA学会のテキストや医道の日本社の解説DVDに収録されています。
大切なのは、この対応関係は「必ずこの点を刺せばこの部位が良くなる」という保証ではないという点です。当院のMasaeも、基本点を機械的に選ぶのではなく、実際に反応を確かめながらその日その方に合う点を絞っていきます。同じ症状でも、選ぶ反応点は日によって変わることもあります。
首診(うしろの首の圧痛で反応点を絞る)
YNSAでもっとも特徴的な確認の手順が「首診」です。首の後ろ側にある特定のポイントを軽く押して、圧痛(押したときの痛み)の変化を確かめます。頭部の反応点を触ったり鍼を仮に置いたりしたときに、この首の圧痛が軽くなれば「今日はここが良さそう」と判断する目安になります。
この首診が体系化されているおかげで、YNSAは「反応を確かめながら選ぶ」ことができ、施術者の勘だけに頼らずに済みます。Masaeが施術前に首の後ろを触るのは、この首診をおこなうためです。急に首を触られると驚かれる方もいらっしゃるので、必ず「首の後ろの圧痛を確かめますね」と一声かけてから確認します。
感覚点・脳点など専門点の概要
基本点のほかに、YNSAには「感覚点(視覚・聴覚・嗅覚・味覚など感覚に関係する点)」「脳点(脳神経に関係する点)」「Yポイント(内臓に関係する点)」といった専門的な反応点も体系化されています。これらは症状の絞り込みや、基本点だけでは反応が変わらない場合の追加の選択肢として用いられます。
専門点をどう選ぶかは、施術者の学びの深さと臨床経験が反映される部分です。当院はYNSAを軸にした頭鍼と、後述する良導絡による自律神経の測定を組み合わせることで、「なぜこの点を選ぶか」の根拠をお示しできる仕組みにしています。
頭鍼が対象としてきた不調|自律神経・頭痛・肩こり・めまい・不眠
頭鍼はこれまで、頭部と関連の深い不調に対して用いられてきました。具体的には、頭痛、首肩の張り、不眠、めまい、耳鳴り、自律神経の乱れなどが挙げられます。WHO(世界保健機関)は鍼灸の適応対象の目安を示しており、頭鍼もそのなかで位置づけられています。以下でご紹介するのは、あくまで「一般的に頭鍼が対象としてきた不調」の説明であり、当院で効果を保証するものではありません。当院で施術方針を決めるときは、必ず良導絡での測定を先に行います。
- 片頭痛・緊張型頭痛
- 首肩の張り・重だるさ
- 眼精疲労にともなうこわばり
- 寝つきの悪さ
- 途中で目が覚める
- 朝起きても疲れが残る
- ふわふわしためまい
- 耳鳴り・耳の閉塞感
- 頭がすっきりしない感覚
- 動悸・のぼせ
- 手足の冷え・汗のかき方の変化
- 食欲の波・気分の落ち込み
頭痛・首肩の張り
頭痛は頭鍼の代表的なテーマのひとつです。頭皮直下には後頭下筋群・側頭筋・前頭筋など、細かい筋肉が層になって存在しており、これらの緊張が頭痛や首肩の張りに関係すると考えられています。トワテック社の教材動画『頭痛へのトリガーポイント鍼療法 森田スタイル』や、杏鍼灸整骨院の側頭筋トリガーポイントに関する鍼療法の解説動画は、鍼灸業界向けにこの領域を解説した資料として一般に流通しています。頭鍼は、こうした頭部の筋肉と全身のバランスを合わせて診るときの選択肢のひとつです。
頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など複数の種類があり、それぞれ背景が異なります。強い頭痛が続く場合や、これまでと明らかに違う頭痛が出た場合は、まず医療機関を受診してください。頭鍼は医療機関の受診と並行して、日々の首肩の張りや、慢性的な頭部の重さと向き合う手段のひとつとして考えていただくのが自然です。
不眠・眠りの浅さ・寝つきの悪さ
寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝起きても疲れが残っている──こうした「眠りの質」の悩みは、頭鍼が向き合ってきた領域のひとつです。頭部への刺激は自律神経の働きと関係が深いとされ、特に頭皮の緊張がゆるむと呼吸が深くなり、副交感神経が優位になりやすいと言われています。これは効果の保証ではなく、伝統的な東洋医学と現代の生理学の両面から語られてきた考え方です。
当院に「病院で異常なしと言われた」「睡眠導入剤に頼りたくない」というご相談で来られる方は少なくありません。そうしたお気持ちを軽く扱わないよう、まず良導絡で自律神経の状態を測定し、数値を見ていただいてから施術の方針をご相談しています。
めまい・耳鳴り
めまいや耳鳴りは、頭部・耳の周辺・首の血流や神経の状態と関係が深い症状です。頭鍼はYNSAの感覚点や、耳周辺のツボと組み合わせて用いられてきた歴史があります。ただしめまいには、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、脳血管疾患など、医療機関での確認が必要な原因も多く含まれます。当院では、急なめまいや強い耳鳴りの初発症状は、まず耳鼻咽喉科や内科を受診いただくようお勧めしています。
耳鳴りに関しては、YouTube上の鍼灸系動画(『薬に頼らないカラダ【銀座の鍼灸師そうぜん先生】』の耳鳴り関連動画など)でも頻繁にテーマにされており、鍼灸業界全体で関心の高い領域です。ただし動画の内容はあくまで一般的な情報の共有であり、当院での効果を約束するものではありません。
自律神経の乱れ(動悸・のぼせ・冷え)
動悸、のぼせ、手足の冷え、汗のかき方の変化、食欲の波──こうした症状は、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスの乱れが関係していると考えられている症状です。頭鍼、特にYNSAの脳点や感覚点は、この領域で用いられてきた歴史があります。当院が特に力を入れているのが、この自律神経の領域です。次章以降で、その理由と手順を詳しくご説明します。
ご相談だけでも
自分の場合はどうなのか、気になったら
症状や体質、通えるペースは一人ひとり違います。「鍼が向いているのか」「何回くらいを考えればよいか」など、施術者の Masae に LINE で気軽にご相談ください。予約をしなくても大丈夫です。
LINEで相談する施術中は返信が遅れることがあります。
頭鍼はどう進む?|当院の施術の流れ(良導絡→カウンセリング→頭鍼)
当院の頭鍼は、いきなり鍼を刺すところから始めません。まず良導絡で自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスを電気的に測定し、数値を見ていただきます。そのうえで気になる症状の経過をうかがい、YNSAの反応点で確認したうえで施術に入ります。「測って、見せて、説明してから触る」──この手順が当院の中核です。
① 良導絡での自律神経測定(12本の代表経絡の電気抵抗を測る)
良導絡は、中谷義雄博士が発見した測定法で、手足の指先近くにある「代表測定点」に微弱な電気を流し、皮膚の電気抵抗の高さを数値で示します。測定するのは12本の代表経絡に対応する点で、5〜10分ほどでひととおり測ることができます。数値の高低のパターンから、交感神経と副交感神経のどちらが優位に傾いているか、どの経絡系統に偏りがあるかの目安が読み取れます。
この測定は当院独自の発明ではなく、日本の鍼灸業界で数十年にわたり用いられてきた測定法です。良導絡研究会や書籍が存在し、施術者も広く学べる環境が整っています。当院がこの測定を大切にしているのは、「なぜここに鍼を打つのか」を数値で説明できるからです。
② 数値の可視化とカウンセリング(測定結果を一緒に確認)
測定した結果は、その場でグラフや数値としてお見せします。「交感神経優位ですね」「特定の経絡が全体より高めに出ています」といった読み取りを、専門用語だけで済ませずに一緒に確認します。あわせて、気になる症状の経過、生活リズム、これまで受けた医療機関の対応などをうかがいます。
ここで大切にしているのは「一方通行の説明にしない」ことです。測定結果に対して「これは自分の実感と合っているか」を、あなた自身に感じていただく時間を取ります。数値と実感がズレることもあり、その場合は「どちらを優先して見立てるか」を一緒に考えます。
③ YNSAの反応点で首診・確認
良導絡の測定結果と症状のヒアリングをもとに、当日ねらう反応点の候補を絞ります。そのうえでYNSAの首診(首の後ろの圧痛の変化)で、その反応点が本当にその日のあなたに合っているかを確認します。合っていなければ、別の反応点に切り替えます。この「首診で確認する」という手順があるからこそ、施術が「思い込みで進む」ことを防げます。
④ 頭鍼+必要に応じて体鍼を組み合わせる
反応点が決まったら、頭鍼を刺入します。ここは早ければ数十秒で終わることもあります。多くの方が「思ったより痛くなかった」と感じられるのは、頭皮下の刺入部位を注意深く選んでいるからです。頭鍼だけで整えるときもあれば、症状に応じて体(手足・お腹・背中)のツボにも鍼を加えるときもあります。
当院の頭鍼は「頭に鍼を打って終わり」ではありません。頭鍼で反応点を活性化しつつ、必要なら体の緊張の強い部位にも鍼を届けることで、体全体のバランスを一緒に整えていく設計です。
⑤ 施術後の変化と次回までの過ごし方をご提案
施術後にはもう一度、良導絡で自律神経の状態を測ります。前後の数値の差をお見せしながら、「今日、体はこう反応した」を一緒に確認する時間です。そのうえで、次回までの過ごし方(水分の摂り方、入浴、睡眠の目安、次回の施術間隔の候補)を一緒に相談する運びです。ここでも「〜すべきです」ではなく、「〜という選択肢がありますね」というスタンスでご提案するようにしています。
頭鍼は痛い?危険?|正直に書く痛み・内出血・瞑眩
「頭に鍼」と聞くと不安になるのは自然な感覚です。当院では正直にお伝えしています──刺した瞬間にチクッとする感覚はあります。ただし、鍼は注射針のような筒状ではなく髪の毛ほどの細さで、痛みは注射とは別物です。頭部の皮下は毛細血管が多く、内出血(点状の青あざ)や、施術後にだるさ・眠気が出る「瞑眩(めんげん)」がまれに起こります。感染管理として単回使い切り(ディスポーザブル)の鍼のみを使用します。ここは記事のなかでも、いちばん正直に書いておきたい章です。
痛みの感じ方(チクッ・ズシッ・響き)
痛みの感じ方は、大きく3つに分けられます。刺入した瞬間の「チクッ」、鍼を置いているあいだの「ズシッ」とした重い感覚、そして経絡のラインに沿って伝わる「響き」です。頭鍼では「チクッ」が最初の1秒に生じることがありますが、これはすぐに落ち着きます。「ズシッ」や「響き」は、反応点にうまく当たっているサインとされることが多い感覚です。当院ではこの感覚が出たときに一声お声かけをしてから鍼を留めます。
なお、緩消法さかとチャンネルの短尺動画では、鍼施術のあとに一時的な変動(症状悪化と呼ばれるケース)が起こることがあるという、業界内で共有されている考え方が紹介されました。当院でも、瞑眩や施術直後の変動については、事前にお伝えするようにしています。
内出血の起こりやすさと消えるまでの目安
頭部の皮下は毛細血管が豊富で、ごく細い鍼でも運悪く毛細血管に触れると内出血(点状の青あざ)が生じることがあります。頭皮の内出血は髪の毛の下に隠れることが多く、外見上は目立ちにくいことがほとんどです。額や耳の周辺などに出た場合は、通常1〜2週間で自然に薄くなっていきます。
「内出血が一切起こらない」とお約束することはできません。ただし、細心の注意を払って刺入する場所を選び、内出血が起きたときには冷やす・触りすぎないなどのアフターケアもご案内します。
施術後のだるさ・眠気(瞑眩)
瞑眩(めんげん)は、東洋医学で古くから使われてきた言葉で、施術後に一時的に眠気やだるさが出る現象のことです。体が刺激に反応して整理を始めるサインだと解釈されてきましたが、これも効果を保証するものではありません。当院では、施術後の数時間から翌日にかけて、いつもより眠いと感じる方が一定数いらっしゃいます。
この日は運転や重要な意思決定を避け、水分をしっかり摂ってお休みいただくと落ち着きます。「せっかく施術を受けたのに、眠気やだるさが出るのは失敗ではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、体が反応しているサインだと東洋医学では捉えられてきたものです。
鍼はすべて単回使い切り(感染管理)
当院で使用する鍼は、すべて滅菌済みの単回使い切り(ディスポーザブル)です。施術ごとに開封し、使い終わったら医療廃棄物として処理します。使いまわしは一切ありません。日本国内で流通している鍼灸鍼は、多くのメーカーが医療機器としての承認を受けており、当院もそうした承認品のみを使用しています。
感染管理の観点から、皮膚に炎症や湿疹が出ている部位への刺入は避けます。施術当日は入浴・シャワーはしていただいて構いませんが、刺入部位を強くこすることは控えていただきます。
頭鍼に向いていない状態・避けたほうがよい場面
頭鍼は幅広い方に用いられますが、体調や医療機関での治療状況によっては施術を見送るか、主治医に確認してから受けていただくケースがあります。当院では初回の問合せの段階でお身体の状態をうかがい、必要に応じて他機関の受診をおすすめすることもあります。「施術を受けてもらう」ではなく「今日は受けないほうがよい場面」を丁寧にお伝えすることも、鍼灸師の大切な役割だと考えています。
発熱・強い体調不良のあるとき
38度以上の発熱、強い倦怠感、感染症の疑いがあるときは、施術を延期していただくことが基本です。体が急性の反応をしている最中に鍼で刺激を加えると、体力の消耗を助長する可能性があります。感染症の場合は、周囲の方や施術者への配慮も必要です。予約日の朝に体調が優れないと感じた場合は、無理をせずご連絡ください。
頭部の皮膚に炎症・傷・湿疹があるとき
頭皮に強い炎症、傷、湿疹、化膿している部位がある場合、その部位への刺入は避けます。範囲が広ければ、施術自体を延期することもあります。皮膚科での確認が先になるケースもあります。長引く皮膚トラブルがある方は、初回の問合せ時にお知らせいただくと、当日スムーズにご案内できます。
抗凝固薬を服用中の方(内出血の可能性)
ワーファリン、DOAC、抗血小板薬などを服用中の方は、内出血が起きやすい状態にあります。服用中でも施術を受けていただくことは可能ですが、事前にお申し出いただき、刺入する部位と本数を慎重に選ばせていただきます。処方している医師の指示がある場合は、必ずそちらを優先してください。
妊娠中の方(施術可否・部位の確認)
妊娠中の方でも頭鍼を受けていただくことは可能ですが、時期(妊娠初期・中期・後期)や体調によって注意する点が変わります。腹部や腰の一部のツボは避けるのが一般的です。妊娠が判明した段階で、必ず事前にお知らせください。産科の主治医から特別な指示が出ている場合も、そちらを優先します。
医師の指示で経過観察中の方(主治医に確認)
疾患の治療中で、医師から特定の行動制限を受けている方は、まず主治医にご相談ください。当院は医療機関ではありません。医療機関で受けている治療の代わりに頭鍼を用いる、という位置づけではなく、日常の体調管理の一環として並行して受けていただく前提でご提案しています。
「見える化してから施術する」当院が頭鍼と良導絡を組み合わせる理由
頭鍼は反応点を選ぶ職人技の要素が大きく、施術者ごとに選び方が変わります。当院は良導絡(皮膚の電気抵抗から自律神経の状態を数値化する測定法)を組み合わせることで、「なぜここに鍼を打つのか」を数値で説明できるようにしています。Masaeが大切にしているのは、効果を主張することではなく、判断の根拠をお見せすることです。当院が長く鍼灸業界に身を置くなかで、いちばん譲れないと感じてきたのが、この「透明性」の部分です。
施術する。
良導絡が測るもの(12代表経絡の電気抵抗と自律神経の傾向)
良導絡は「経絡の電気的な通り道」を数値化する測定法で、12本の代表経絡それぞれに割り当てられた測定点で、皮膚の電気抵抗を測る仕組みです。値が全体的に高ければ交感神経優位、低ければ副交感神経優位という傾向を読み取れます。個別の経絡ごとの高低から、体のどこにアンバランスが出ているかの目安も見えてきます。
この測定は「自律神経が乱れている」と言葉で片付けずに、数値のパターンで示せることに意味があります。「なんとなく自律神経のせい」ではなく、「今日はこういうパターンで交感神経が高めに出ています」と具体的にお伝えできます。
測定→施術→再測定で「触った変化」を確認する
当院では、施術の前後で良導絡を測ります。施術前の数値と施術後の数値を並べてお見せすることで、その日の施術がどう体に反応したかを一緒に確認できます。数値が明確に動く方もいれば、体感のほうが先に変わる方もいらっしゃいます。どちらが正しいということではなく、数値と体感の両方を見ていきます。
Masaeが施術の記録を取り続けているのは、次回の施術時に「前回はここが高めでしたね」と過去との比較ができるようにするためです。一回の変化ではなく、通っていただく中での傾向を一緒に見ていくのが当院のスタイルです。
透明性そのものを商品にする、という考え方
鍼灸の世界には、「効果が出るかは施術者の腕次第で、受けてみないと分からない」という言葉が長く語られてきました。当院はここに違う仮説を持っています。「効果を約束できない代わりに、判断の根拠を全部お見せする」──この透明性こそが、当院がお届けできる価値だと考えています。
良導絡での測定は、当院の商品を「効果」から「透明性」に置き換えるための道具です。効果を保証できない業界だからこそ、判断のプロセスを見せることに意味があると当院は捉えています。
初回は無料カウンセリングから
まずは30分、お話をうかがいます
Zoom またはお電話で、今のお悩みとご希望をうかがい、施術の組み立てと通うペースをご提案します。その場でお決めいただかなくて構いません。
東京23区へ出張/レンタルサロン 9:00〜21:00・年中無休
頭鍼のよくある質問(FAQ)
初めての方から頻繁にいただくご質問をまとめました。ここに載っていないご不安は、公式LINEでお気軽にご相談いただけます。
頭鍼は1回で変化がありますか?
感じ方は方によって差があります。当院では初回に良導絡で自律神経の状態を測定し、施術後にもう一度測って数値の動きをお見せしています。数値の変化と体感が一致することもあれば、しばらくしてから変化を感じる方もいらっしゃいます。効果を保証するものではないため、まずは1回、測定と施術を体験していただき、続けるかどうかを一緒に相談させてください。
髪型が崩れたり、シャンプーが必要になりますか?
使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、抜いたあとに小さな穴が残ることはほぼありません。整髪剤が広範囲についていると鍼を刺す場所が確保しにくいため、施術当日は控えめにしていただけると助かります。施術後はそのまま普段どおりお過ごしいただけます。ヘアワックスやスプレーで固めている場合は、可能な範囲でオフしておいていただくことをおすすめしています。
何回くらい通えばよいですか?
症状や生活状況によって回数は変わります。当院では毎回、良導絡の測定結果をお見せしながら「次回までにどのくらい間隔を空けるのが良さそうか」を一緒に決めていきます。回数券や継続契約を先に販売する方式は採用していません。「まずは1回、体験して考える」というスタンスで問題ありません。
他院・病院との併用はできますか?
病院での検査・治療と併用してくださっている方は多くいらっしゃいます。ただし主治医から特別な指示が出ている場合、抗凝固薬を服用中の場合などは、事前にお知らせください。必要に応じて施術部位を調整するか、主治医への確認をおすすめすることがあります。当院は医療機関の代替ではなく、日常の体調管理の一環としてご利用いただく前提です。
料金と時間の目安を教えてください。
料金は1回90分・18,000円〜(近隣エリア・ご自宅や職場への出張の場合)で、良導絡測定・カウンセリング・頭鍼に説明・アフターケアまで含みます(税込・23区内の交通費込み)。エリアやレンタルサロンのご利用によって料金が異なります。近隣エリアでは、継続的にご利用の方向けに回数プランもご用意しています(出典: 当院メニュー・料金ページ)。契約内容(期間・回数・中途解約)はメニュー・料金ページで詳細をご確認ください。初回は料金と手順のご説明も含めて、少しゆとりを持ってお時間を確保しています。
まとめ|「まず、見てみませんか」
頭鍼は、中国の頭皮鍼から日本のYNSAへと発展してきた歴史ある技法です。頭部の反応点に髪の毛ほどの細い鍼で刺激を届け、頭痛・不眠・自律神経の乱れなど、頭部と関連の深い不調に対して用いられてきました。当院HARI CHOCOMINTは、このYNSAを軸にした頭鍼と、良導絡による自律神経の測定を組み合わせています。「見える化してから、施術する。」──これが当院のコアバリューです。
効果を保証することはできません。ただ、判断の根拠をすべてお見せすることはできます。数値を見て、症状を聞き、反応点を確かめてから鍼を届ける。この透明性そのものが、当院がお届けできる価値だと考えています。もし記事を読んで「一度、測ってもらってから考えたい」と感じていただけたら、まずはお気軽にご相談ください。気になることがあれば、公式LINEから短いメッセージでも大歓迎です。Masaeが、一つひとつ丁寧にお返事いたします。